







東京五輪の出場権を懸けた昨年の西アジアの選考会で、ザザは40代のレバノン人選手を決勝で破り、内戦で分断された母国シリアで一躍有名になった。最近までザザを指導していたコーチは「困難な環境で鍛えてきた」と明かし、劣悪な練習環境や国外大会参加に必要なビザ(査証)の取得で苦しむなど、五輪までの道のりは険しかった。 そうして迎える東京五輪では、計6人いるシリア代表選手団の唯一の女子選手として、母国に通算4個目の五輪メダルをもたらすことを目指す。「世界王者そして五輪王者になるのを夢見ている」と、AFPの取材で高い志を明かしたザザだが、その一方で、「学業を終えて薬剤師になる」という目標も持っている。 アマチュアのサッカー選手である父親は、競技のかたわらで学業がおろそかにならないよう、ザザに個別授業をつけているそうだ。
【難民選手団の9名がシリア難民】
「私はこのチームの一員になれて本当に幸運です」と話すのは、UNHCR親善大使のユスラ・マルディニ選手。シリア出身の水泳選手で、2016年リオ五輪で初めて結成された難民選手団のメンバーでもある彼女は、今回のオリンピック出場の決定を受けてそう話します。「時にその責任の重さも感じます。難民選手団は小さなチームですが、難民だけでなく世界中の若者たちに、本当にたくさんの希望をもたらすことができる存在です。だから私たちは頑張ることができますし、小さなころから一生懸命練習してきたんです」。
同じく代表に選出されたアラム・マフムード選手(23)は、故郷のシリアでは新進気鋭のバドミントン選手でした。ショナルチームの代表として競技していましたが、紛争を逃れ、安全な場所で教育とトレーニングを続けるためにオランダに避難しました。新しい土地で落ち着いて生活できるように、オランダ・アルメレの地元のバドミントンクラブがサポートしてくれたと、アラムは話します。そのことが、新しい友達に出会ったり、スポーツに対する情熱が再燃したきっかけにもなりました。その後、2019年のバドミントン世界選手権リガ大会で勝利し、最近では2021年オーストリアオープンで準々決勝まで勝ち進みました。
【シリア選手団と難民選手団が抱き合う】
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