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by team-beko
| 2022-02-20 20:48
ダマスカスの孤児院で生活を送る「公園出身」の少女ルカイヤのお話です。是非こちらも多くの方に読んでいただければと思います。
田村雅文
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幼い頃の記憶は、あまりに酷く、嬉しかった思い出は一切なく、話す度にいつも涙がこぼれます。他の子どもたちのように、暖かい家に住んだ記憶はなく「家」という言葉の意味を知ったのはつい最近でした。私はいつも路上や公園をさまよっていて、木の下や路上のベンチで寝る生活を送っていました。寒い日も暑い日も、疲れたり病気にかかった時も、他に選択肢はありませんでした。
母と生活を共にしていましたが、母は「母性」を知らない人でした。私は毎朝早く母に叩き起こされ、道や公園を歩く人々に物乞いするよう強いられました。私はいつも破れた汚い服しか着られず、母の心無い暴言によって、幼い私の心・感性はとても傷つけられました。
なぜ私の人生はこんなに惨めで、なぜ心はいつも悲しみでいっぱいなの?私の人生は暗くなっていくばかりでした。
生まれてからずっと、「家族」の意味を知りませんでした。父は早くに他界し、名前しか知りません。母の再婚相手(義父)は、母と同じくらい理不尽で非情な人間でした。母の束縛から逃れたところで、義父の絶え間ない暴力が待っていました。
戦争中も、私はホームレス状態で、公園の周りに爆弾が落ちる音を、虚ろに聞いていました。安全な避難所には行けず、「大丈夫」と抱きしめてくれる人は誰もいなく、孤独な日々でした。
少し大きくなり、8歳になった頃、物乞いをやめ、飢えや病気に苦しむ弟のためにも働くことを決心し、スーパーで働きはじめました。朝から晩まで、自転車で宅配の仕事をしました。読み書き、算数を学んで、みんなと一緒に学校に行きたいとも思いました。学校に通う子どもたちを見ては悲しむ私を見かねたスーパーの店主が、私を孤児院に入れてくれました。彼はとてもいい人で、私には物乞いや児童労働から遠い、よりよい世界を見てほしい、と孤児院を紹介してくれました。
孤児院に入ってからは、たくさんの愛情を感じ、安心感がありました。友達もでき、特にアマルとは仲良しになりました。
暖かくて、温もりを感じる家で暮らすという夢が叶いました。他の子どもたちと一緒に学校に通いはじめ、今では小学5年生になりました。スポーツや工作などの趣味や、課外活動を楽しんでいます。
子どもの権利についても、ちゃんと学びました。孤児院の職員たちは、母親代わりになってくれ、無条件の愛情と教えを与えてくれます。協力し合うこと、正直であること、他人を尊敬すること、他人の為に行動することの大切さを学びました。
そして、自分の将来について真剣に考えるようになりました。私は将来、子どもの権利を守る弁護士になって、世界中の子どもたちが安全で平和な場所に住める手助けをしたいです。
私はルカイヤ、公園出身。無情な現実と闘い、自分にふさわしい生き方を見つけました。
孤児院支援の年賀状はこちらで発売中です。
イラク戦争の影響で、イラク難民がシリアに流れ込むと、秩序が崩れ、貧富の格差が広がりだした気がします。写真は2008年のダマスカスで撮影。いつの時代でも子どもたちの権利が守られなければなりません。
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by team-beko
| 2021-12-16 14:26
湘南・鎌倉年賀状プロジェクトで支援している孤児たちの情報を田村雅文さんから伝えていただきました。
年賀状の申し込みはこちらから
http://teambeko.html.xdomain.jp/team_beko/postcard2.html
少女ファティンの話:孤児院にいる14歳の少女ファティン。今はスポーツのコーチになるという夢を実現するために日々前進している彼女の幼少からの話を是非皆さんに聞いて頂ければと思います。
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私の幼少期の記憶は虐待、極度の貧困、ホームレスで路上を彷徨ったことしかありません。両親は無知で職を持っておらず、私は9人兄弟の6番目の娘として貧しい家庭で育ちました。
気がついた時には路上で物乞いをしており、お金や食べ物のくずを求めて誰かれ構わず追いかけていました。道から道へ、公園から公園へ、兄弟と一緒にお金を集めるためさまよい歩き、アルコール依存症の父の機嫌を損ねないようにする日々でした。父はこのようにお金を巻き上げることしか知らず、子供を産むために女性と結婚してすぐ捨てるような人でした。
私には、生まれた時から多くの子どもが持っているはずの権利さえありませんでした。出生時の届け出はもちろん、お腹を満たす十分な食事も与えられず、学校とはどんな場所なのかを知る機会もなく、また人から愛され、かかわりを持つというのがどういうことか、安全に生きるとは何か、全く知ることはありませんでした。特に母が去り、私たちは恐怖と欠乏、そして喪失感に満ちた世界に放り出されました。
年月が過ぎてゆき、私は正しい行動に導かれることなく成長していきました。目の前にある世界にルールはありません。私は嘘や盗みを働き、フレイム・グルーと呼ばれる接着剤を吸引することにハマって(中毒になって)いました1。このような毎日を過ごし半崩壊した家に疲れ果てて帰る日々を過ごしていました(接着剤を嗅ぐことは、すぐに「ハイ」になれるという理由で使われることがありますが、深刻な健康被害をもたらす可能性のある吸入剤乱用の一種と言われています。しかし、他の薬物乱用と同様に、吸入剤の乱用は依存症につながる可能性があります。)。
私は自分が集めたお金など全てを必ず怒る父に渡さなければなりません。父から理由もなく殴られ、夜になると疲れ果てて意識を失ったように眠ります。そして翌日目を覚ますと、物乞いをして不幸しかない生活が無限に続いていました。
ここに転機が訪れます。6歳の時でした。私の人生はBee Waysとの出会いを通じて輝くようになりました。それはまるで腐った土の中で育った枯れた花を摘み取り、安全で愛情に満ちた環境に再び植えるような出来事でした。
始めは住む場所、食べるもの、そして着るものを与えてもらいました。その後、学校に行って読み書きを学び、治療や心理的(精神的)サポートを受けながら、物事の分別を判断したり、また自身で問題解決を行う訓練、更には様々な文化活動などにも参加しました。また、手工芸の技術を身に付けることを通じて自分の能力を豊かにし、少しずつ変わっていきました。
私の名前は「ファティン」といいます。14歳になりました。無知で読み書きのできなかった私は自分の努力で中学校1年生まで進学しました。私は今、スポーツのコーチになるという夢を実現するために日々前進しています。それは、スポーツが私が感じていたプレッシャーや苦しみを和らげてくれたからです。現在はBee Ways内のスポーツコーチの手伝いを行っており、友達のトレーニングやダンスショーに向けてのモチベーション作りなどを支援してます。そして私たちはいずれ様々なイベントや舞台演劇での披露を目指しています。
私はもう過去を振り返りません。これまで達成したことを誇りに思い、これからも学び、働くことで明るい未来を築いていきたいと思います。
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by team-beko
| 2021-12-16 14:24
| 医療支援
佐藤真紀が、ゼミを担当している多摩大学グローバル学部は、湘南台にあります。
「湘南地域を巻き込んだ国際協力とボランティアの実践」を受け持つことになりましたが、生徒たちは、シリアってどこ? 一方私は、湘南ってどこ?というレベルでスタート。SDGsで取り上げられるグローバルな問題に関心はあるものの、先日行われた衆議院選挙では、コロナ禍での経済や、福祉が高まり、外交や、国際問題が争点になることはほとんどありませんでした。シリアはほとんど忘れ去られた感があります。湘南・鎌倉地域の人たちが、いかにシリアに関心を持ってもらい、無理のない国際協力ができるのかをゼミでは研究しています。
そこで、Team Bekoが取り組んでいる年賀状プロジェクトを一緒に考えてもらうことになりました。
湘南・鎌倉の名所を紹介することで、①地元への愛 ②地球への愛 ③人類への愛 へとつなげていく。そんな年賀状をデザインしました。





ともかく、シリアは、内戦と、国際社会が課す経済制裁のために、物価は高騰し、明日食べていくのも保証がありません。SDGs的に見ていくと、つまり17のゴールすべてから程遠く、戦争がすべてを奪っているのです。というわけで、シリアでSDGsを云々するのはこれくらいにしておきましょう。










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by team-beko
| 2021-11-10 21:39
| Team Beko
こんにちは!
多摩大学グローバルスタディーズ学部の学生です。「湘南地域を巻き込んだ国際協力とボランティアの実践」ゼミで国際協力を学んでいます。私たちは今回、国際協力として、シリアの子どもが描いたトラの絵と私たちが描いた湘南・鎌倉の絵をコラボさせたポストカードを作成しました!この売上金は経費を除いて全額シリアへ寄付されます。
1枚100円(定価)で販売しています!
こちらのサイトからだと5枚セット+送料込みの販売なのですが、湘南キャンパスでの販売に限り、以下のメールアドレスからバラ売り手渡しの販売をさせていただきます!
1枚1枚に想いや願いを込めて作成しました。ぜひ、お買い求めください

湘南・鎌倉の名所を紹介することで、1地元への愛 2世界への愛 3地球への愛 そして4あなたへの愛へつなげていく、そんな年賀状をデザインしました。




ともかく、シリアは、内戦と、国際社会が課す経済制裁のために、物価は高騰し、明日食べていくのも保証がありません。SDGs的に見ていくと、つまり17のゴールすべてから程遠く、戦争がすべてを奪っているのです。というわけで、シリアでSDGsを云々するのはこれくらいにしておきましょう。










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by team-beko
| 2021-11-08 07:12